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氏名 | 伊東優 |
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年齢 | 29歳 |
職業 | 建築家 (東京大学特任研究員) |
家族構成 | 独身 |
居住地 | 東京都(出身地:長崎県) |
移住年月 | 2016年2月 |
現居住地 | 西川町大井沢 (東京との2地域居住) |
移住年 | 2016年 |
長崎県出身。東京大学で建築・都市について学ぶ。大学院在学中にオランダの建築設計事務所で修行したのち、自転車でユーラシア大陸を横断した経歴の持ち主。
現在は建築家(一級建築士)として幅広い分野で活動する一方、東京大学特任研究員を務めている。
注連寺(鶴岡市)本堂の天井絵画を描いた木下晋先生が、大学でデッサンを教えており、木下晋先生の紹介で注連寺(鶴岡市)を訪れました。その際、芥川賞を受賞した森敦著の小説「月山」が同寺で書かれたことを知り、すぐに小説「月山」を読みました。「とにかく感動しましたね。自分の人生の中でこんなに感動したことはないと思います。こんなすばらしい文章を書ける人がいるんだ。」と。その後、森敦の全集も読破し、彼のことをより知るためには「書物だけではなく彼が見た同じ景色を見る必要がある」と思ったんです。思い立ったら行動する性格なので、すぐに月山の麓に住居を探しました。
当初は中連寺がある鶴岡市朝日地域の田麦俣地区で住宅を探しました。しかし、田麦俣地区では適当な物件が見つからず、山を跨いで西川町を検索(インターネット)したところ西川町の空き家バンクにたどり着きました。すぐに西川町に連絡し、物件の交渉をしましたが、うまく話しがまとまりませんでした。そんな時、町担当者から暮らし体験住宅を紹介していただいたんです。時期的に仕事に余裕がありましたし、雪国に住むためには、やはり一番条件が厳しい冬の時期を体験する必要があると思い、冬の期間暮らし体験住宅に滞在しました。
基本的には自分で好きなように行動していました。仕事や時間を忘れて本を読んだり、雪旅籠<外部リンク>の制作に携わったり、ウサギ狩りを見に行ったり。都会では体験できない最高の時間を過ごすことが出来ましたね。
西川町の方には親切に対応していただき、これと言って不満はありません。強いて挙げるならば、体験住宅が集合住宅の一室であったこと。移住希望者は、西川町の大自然を体験したいと思っているはずで、田舎暮らしを体験するためには、一軒家の体験住宅があると良いでしょうね。ただ、同じ住宅には地域おこし協力隊が生活しており、一緒にお酒を飲んだり、行動を共にしたり、多くの時間を一緒に過ごしました。外部から来た者同士の交流があり、話も弾み面白かったですよ。
初日に見た大井沢地区から眺める月山です。あの景色は今でも忘れられませんし、一瞬で心惹かれました。冬の時期はほぼ毎日雪が吹き荒れているにも関わらず、その初日だけ一面の銀世界と澄んだ青空の中、月山を眺めることが出来たんです。もう運命を感じましたね!
滞在中、大井沢地区の空き家を紹介していただき、お借りすることになりました。インターネットのやり取りだけでは辿りつけませんでしたね。ただ、自分は仕事の関係上、一か所に留まる(定住する)という考えはありません。今回新たに西川町の空き家をお借りし、東京、長崎、山形の3か所を拠点として活動していきます。現在は東京大学の特任研究員を勤めていますが、近い将来建築事務所を開設します。単に家やマンションを造るのではなく、その土地の歴史や文化を把握し、それらに合った建物を造りたいと思っています。空間の力が問われる仕事を手掛けたいですね。
とりあえず行動してみること!自分は月山に興味を持ち、半年後には西川町を訪れました。訪れて初めて分かることも多く、嫌になれば戻れば良い。暮らし体験住宅という制度ではそれが可能なので、利用した方が良いと思います。
(2016年6月取材)